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花火うんちく

長崎のお盆=中国のお盆



中国盆は、長崎ならではの行事で、旧暦の7月26日から28火に崇福寺(写真参照)で行われます。盆とはいっても、日本のお盆とは意味合いが違って、いわゆる「施餓鬼(せがき)」であります。

 施餓鬼とは、「悪道におちて苦しんでいる亡者(餓鬼)に飲食物を施すという法会(ほうえ)」のこと。つまり、死後も苦しんでいるすべての霊を供養する行事で、自分の先祖を供養とは全く別の行事なのです。その証拠に、華僑の人たちも。8月には中国盆とは別に日本式のお盆の供養をするそうです。

 では中国盆をご案内いたしましょう。
 盆の7日前には「ハッポン」といって、
崇福寺の第1峰門(国宝)と、新地の真中にあるお堂に黄色い紙が張り出されます。これはあくまでも霊魂たちへの告示で、人間へのお知らせではありません。

 国宝の本堂に向かって左手にあるのが「三十六軒堂」。これは、霊魂たちが買い物をする「商店街」です。よく見ると、なぜかその中に棺桶屋まであります。

 3日目の朝には、十錦菜(せっきんさい)と呼ばれる14種類の精進料理が所狭しと供えられ、夕方になると、豚の頭や鶏でつくった老人の人形など生臭料理も並べられます。

 そして、3日目の夜になると紙製の「中国かばん」の中に、紙でつくったいろいろの物が入れられ、冥土の土産として燃やされ、中国盆が終わります。

 と思ったら、それから1日置いた旧暦の30日には補施(ぽーせ)という行事があります。これは目や足が不自由で盆に間に合わなかった霊魂のためにお経をあげる行事です。山門から本堂まで足元に竹線香を並べ、霊魂が迷わずに到着するように気配りをします。

 霊魂たちを手厚くもてなす中国盆。その独特の雰囲気は日本でもここでしか味わえません。長崎の大切な風物詩の1つです。